11. フード章
マッカ啓示123節
- アリフ・ラーム・ラー(この)啓典は、(英知によって)守護されており、また英明にして通暁される御方からの解明である。
- (それで言うがいい。)「アッラーの外誰にも仕えてはならない。本当にわたしは警告者、また吉報の伝達者として、かれからあなたがたに(遣わされた)。」
- あなたがたの主の御赦しを請い願え。そしてあなたがたは、悔悟してかれの許に返れ、(そうすればアッラーは)定められた時期までいろいろなよいものを享受させる。また功績の多い者には、それぞれ豊富に恵みを与えられる。だがもし、背き去るならば、わたしはあなたがたのために偉大な日の懲罰を恐れる。
- 「あなたがたはアッラーの許に帰るのである。かれは凡てのことに全能であられる。」
- 見なさい。かれらは(その敵意を)かれに隠そうとして、自分たちの胸をたたみ込んでいる。ああ、自分たちの衣を(幾重に)着こんでも、かれはかれらの隠すこと顕わすことを知っておられる。本当にかれは、胸の中の秘密をよく知っておられる。
- 地上の凡ての生きもので、その御恵みをアッラーからいただいていない者はない。かれはそれらの居住所と寄留所を知っておられる。凡てはっきりと書物に(記されて)ある。
- かれこそは玉座が水の上にあった時、6日の間に天と地を創造された御方。それはかれが、あなたがたの中誰が、行いに最も優れているか、明瞭にされるためである。だがあなたがもし、「あなたがたは、死後必ず甦されるであろう。」と言えば、不信心者たちはきっと、「それは明らかに魔術に過ぎない。」と言うであろう。
- もしわれが定めの時期まで、かれらに対する懲罰を延ばせば、かれらはきっと言うであろう。「何が(懲罰を)遅らせているのか。」ああ、それが到来する日、何ものも、それを避けられず、かれらは自分たちが嘲笑していたもので、取り囲まれるであろう。
- もしわれが、人間に親しく慈悲を施して味わしめ、その後それをかれらから取り上げれば、きっと絶望して不信心になる。
- だが災いに見舞われた後われがもし恩恵を味わしめると、かれは、「不幸はわたしから去ってしまった。」と言って必ず狂喜して自慢する。
- 耐え忍んで、善行をなす者だけはそうではない。これらの者には、(罪の)赦しと偉大な報奨がある。
- あなたは恐らく、啓示されたものの一部を放棄したい(気持になる)であろう。そのためにあなたの胸は狭められてはいないか。それはかれらがこう言うためである。「どうしてかれに財宝が下されないのだろう。また何故1人の天使も、かれと一緒に来なかったのであろうか。」本当にあなたは1人の警告者に過ぎない。アッラーは凡てのことを管理される方であられる。
- またかれらは、「かれがそれ(クルアーン)を作ったのです。」と言う。言ってやるがいい。「もしあなたがたの言葉が真実ならば、それに類する10章を作って、持って来なさい。また出来るならあなたがた(を助けることの出来る)アッラー以外の者を呼びなさい。」
- もしかれら(神々)があなたがた(の呼びかけ)に答えないならば、あなたがたはそれがアッラーの御知識からだけ下されたものであること、またかれの外に神はないことを知りなさい。それであなたがたは、心から服従、帰依するのか。
- 現世の生活とその栄華を望む者には、われは現世のかれらの行いに対し十分に報いるであろう。かれらは少しも減らされることはないのである。
- これらの者は、来世の火獄の外に何もない者たちである。現世でかれらの成し遂げたことは実を結ばず、その行っていたことは、虚しいものになる。
- 主からの明白な印を受けた証人(預言者)に読み聞かされた者(信者たち)。そしてそれ以前に導師であり慈悲であるムーサーの啓典(律法)をいただいている人々。これら(啓示の下った民)こそはそれ(クルアーン)を信じる。だがそれを信じない一派の者たちは、火獄がかれらの約束された場所である。だからあなた(ムハンマド)は、それに就いて疑ってはならない。本当にそれはあなたの主からの真理である。だが人びとの多くは信じない。
- アッラーに就いて虚偽を作る者より、甚だしい不義な者があろうか。かれらは主の御許に引き出され、その証人たちは、「これらの者は、主に関して偽った者です」と言うであろう。見なさい。アッラーの怒りが不義者に下る。
- これらの者は、アッラーの道(イスラームの教え)から(人々を)妨げ、(その道自体を)曲げようとする者、また来世を否定する者である。
- これらの者は、地上において罰を逃れることもできず、またアッラーの外に守護者もないのである。かれらに対する懲罰は倍加されるであろう。かれらは聞くことも出来ず、また(明確に)見ることも出来なかった。
- これらの者は、自分自身を滅ぼした者で、かれらが捏造していたものは、かれらからはぐれ去った。
- 疑うことなくこれらの者は、来世の最大の失敗者である。
- 本当に信仰して善行に励み、また主の御前で謙虚な者、これらの者は楽園の住人で、永遠にそこに住むであろう。
- この両者を例えれば、一人は盲人で耳の遠い者のようであり、外は目も見えれば耳も聞える者である。比べてみて両者は同じであろうか。それでもあなたがたは注意しないのか。
- またわれはヌーフを、かれの民に遣わした。(かれは言った。)「わたしはあなたがたへの、公明な警告者である。
- あなたがたはアッラーの外に仕えてはならない。わたしはあなたがたのために、苦難の日の懲罰を本当に恐れる。」
- だがかれの民の中不信心な首長たちは言った。「あなたを見ると、わたしたちと同じ人間に過ぎません。またわたしたちのなかでもあなたに従う者は、思慮の未熟な最も卑しい者に過ぎません。またあなたには、わたしたちに勝る長所も認められません。いや、わたしたちは、実際あなたがたを嘘付きであると考えます。」
- かれは言った。「わたしの人びとよ、あなたがたは考えてみなさい。もしわたしが主からの明証の上に立ち、かれが御許からわたしに慈悲を与えられても、それがあなたがたの目に不明瞭だというならば、それほど嫌っているのに、あなたがたにそれを強いることが出来ようか。
- 人びとよ、わたしはこれ(伝道)に対して、あなたがたに財貨を求めない。わたしは、只アッラーから報奨をいただくだけである。またわたしは、信仰者たちを(侮って)追い返そうとはしない。本当にかれらは主に会う身である。寧ろあなたがたは、無知の民であるとわたしは考える。
- 人びとよ、わたしがもしかれらを追い返したならば、アッラーに対し誰がわたしを助けるであろう。それでもあなたがたは注意しないのか。
- わたしはあなたがたに向かって、わたしがアッラーの宝物をもっているとも、幽玄界を知っているとも、またわたしは天使であるとも言わない。なおまたわたしはあなたがたが軽視する者に向かって、アッラーはかれらに(どんな)善性も、御授けにならないだろうと言わない。アッラーは、かれらの心の中を、最もよく知っておられる。もしそうであったならば、わたしは不義の徒である。」
- かれらは言った。「ヌーフよ、あなたはわたしたちと論議してわたしたちとの論争を長引かせました。もしあなたの言葉が真実ならば、あなたが約束したこと(懲罰)をわたしたちに齎しなさい。」
- かれは言った。「アッラーの御心があれば、かれだけがあなたがたにそれを現出されるであろう。あなたがたは(それを)避けられないのである。
- 仮令わたしが(善い)忠告を、あなたがたに与えようと望んでも、もしアッラーがあなたがたを、迷うに任せる御望みならば、わたしの助言はあなたがたに無益であろう。かれこそあなたがたの主であられる。あなたがたはかれの御許に帰されるのである。」
- また、かれら(マッカの不信心者たち)はかれがそれ(クルアーン)を作り出した」と言っている。言ってやるがいい。「もしわたしがそれを作り出したならば、罪はわたしにある。だがわたしは、あなたがたが犯した罪にはかかわリがない。」
- ヌーフはこのように啓示された。「既に信仰した者の外は、もうあなたの民は信仰しないであろう。だからかれらの行いに就いて悩んではならない。
- そしてわれの目の前で、啓示に従って方舟を造れ。また不義を行う者のために(この上)われに願い出てはならない。かれらは溺れ死ぬであろう。」
- そこでかれは方舟を造り始めた。かれの民の首長たちは、その側を過ぎる度にかれを嘲笑した。かれは言った。「仮令あなたがたが(今)わたしたちを嘲笑しても、いずれあなたがたが嘲笑するように、きっとわたしたちがあなたがたを嘲笑するようになる。」
- 「あなたがたはやがて恥辱の懲罰が誰に来るか知るであろう。永久の懲罰が誰の上に降りかかるかを。」
- 遂にわが命令は下って、大地の諸水が堰を切って迸り出た時、われは言った。「すべての生き物の一つがいと、信仰者たちと、あなたの家族で宣告がすでに下された者以外をその中に乗せなさい。」だがかれと共に信仰した者は少なかった。
- かれ(ヌーフ)は言った。「アッラーの御名によって、これに乗れ。航行にも停泊にもそれによれ。本当にわたしの主は、寛容にして慈悲深くあられる。」
- 方舟はかれらを乗せて山のような波の上に動き出した。その時ヌーフは(皆から)離れていたかれの息子に叫んで言った。「息子よ、わたしと一緒に乗れ。不信者たちと一緒にいてはならない。」
- 息子は(答えて)言った。「わたしは山に避難しよう。それは(洪)水から救うであろう。」かれ(ヌ−フ)は言った。「今日はアッラーの御命令によってかれの慈悲に浴する者の外は、何者も救われない。」その時2人の間に波が来て、息子は溺れる者の1人となった。
- 御言葉があった。「大地よ、水を飲み込め。天よ、(雨を)降らすことを止めなさい。」水は引いて、事態は治まり、(舟は)ジューディー山上に乗り上げた。また仰せられた。「不義を行う民を追い払え。」
- ヌーフはかれの主を呼んで申し上げた。「主よ、わたしの息子は(わが)家の一員です。あなたの約束は本当に真実で、あなたは裁決に最も優れた御方であられます。」
- かれは仰せられた。「ヌーフよ、かれは本当にあなたの家族ではない。かれの行いは正しくない。あなたの知らないことに就いて、われに求めてはならない。われはあなたが無知な者とならないよう戒める。」
- かれは申し上げた。「主よ、本当にわたしが知りもしないことに就いて、あなたに請い求めないよう、御赦しを願います。あなたがわたしを御赦しになり、慈悲を与えられなければ、わたしはきっと、失敗者の仲間になるでしょう。」
- (かれに)御言葉があった。「ヌーフよ、われからの平安によって、(舟を)降りなさい。あなたに祝福あれ、またあなたと共にいる多くの人々の上にも。(外に)われが(少しの間の生活を)享受させる人々もあるが、結局かれらはわれから痛ましい懲罰を受けるであろう。
- これはわれがあなたに啓示した、幽玄界に就いての消息である。あなたもあなたの人々も以前はそれを知らなかった。だから耐え忍ベ。(善)果は、主を畏れる者に帰するのである。
- (われは)アードの民に、その同胞のフードを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ、アッラーに仕えなさい。あなたがたには、かれの外に神はないのである。あなたがたは(神々を)捏造しているに過ぎない。
- 人びとよ、わたしはこれ(消息)に対して、何の報酬もあなたがたに求めない。わたしの報酬は、わたしを創られたかれの御許にだけあるのである。あなたがたはそれでも悟らないのか。
- わたしの人びとよ、あなたがたの主の御赦しを請い求め、悔悟してかれに返れ。かれはあなたがたの上に天(から雲)を送り、豊かに雨を降らせ、あなたがたの力に更に力を添えられる。だからあなたがたは背き去って、罪を犯してはならない。」
- かれらは言った。「フードよ、あなたはわたしたちにたった一つの明証すら、齎さない。わたしたちは(単なる)あなたの言葉のために、わたしたちの神々を捨てない。またあなたの信者にもならない。
- わたしたちの神々のあるものが、邪悪な言動であなたを魅惑したのだと言うだけである。」かれは(答えて)言った。「わたしは、立証をアッラーに御願いする。あなたがたも、わたしが(神々を)配することに、関りないことを証言して下さい。
- かれ以外(の神々を仲間とし)て、皆でわたしに対し策謀しなさい。何も猶予はいらない。
- わたしの主であり、あなたがたの主であられるアッラーを、わたしは信頼する。凡ての生きものの一つでも、アッラーが、その前髪を掴まれないものはない。本当にわたしの主は、正しい道の上におられる。
- 仮令あなたがたが背き去っても、わたしはあなたがたのために、与えられたものを既に伝えた。主はあなたがたの代りに、他の民を継がせられた。あなたがたは少しも、かれを害することが出来ないのである。本当にわたしの主は、凡てを見守られる。」
- わが命令が下った時、われの慈悲によってフードとかれと共に信仰する者たちは救われた。われは酷い懲罰から、かれらを救ったのである。
- これは、アード(の民のこと)であった。かれらは主の印を拒否し、かれの使徒たちに背き、それぞれの勢力者、頑迷な反逆者の命令に従った。
- それでかれらは、現世でも復活の日でも、呪いに付き纏われた。ああ見よ、本当にアードは、かれらの主を信仰しなかった。ああ見よ、フードの民(の視界から)アードは消された。
- (われは)サムードの民に、その同胞サーリフを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ、アッラーに仕えなさい。かれの外に、あなたがたに神はないのである。かれは大地からあなたがたを造化され、そこに住まわせられた。それでかれの赦しを請い願い、悔悟してかれに返れ。本当にわたしの主は、直ぐ近くにおられ、(祈りに)応えられる御方である。
- かれらは言った。「サーリフよ、あなたはわたしたちの中で、以前望みをかけた人物であった。(今)あなたは、わたしたちの祖先が仕えたものに仕えることを禁じるのか。だがあなたが勧める教えに就いて、わたしたちは真に疑いをもっている。」
- かれは言った。「わたしの人びとよ、考えてみたのか、わたしが主からの証の上にたち、かれはわたしに、親しく慈悲を与えられるのに、もしわたしがかれに従わないならば、誰がアッラー(の怒り)からわたしを救助することが出来ようか。あなたがたはわたしをもっと破滅してしまうだけである。」
- わたしの人びとよ、これはアッラーの雌ラクダで、あなたがたに対する一つの印である。アッラーの大地で放牧し、これに害を加えてはならない。身近かな懲罰に襲われないようにしなさい。
- だがかれらは、その膝の腱を切った。それでかれ(サーリフ)は言った。「3日の間あなたがたの家で(生を)楽しめ。それは偽りのない約束である。」
- わが命令が下った時、慈悲によってわれはサーリフならびにかれと共に信仰した者たちを救い、またその日の恥辱からも救った。本当にあなたの主は、強大にして偉力ならびなき御方である。
- 一声(懲罰)が、不義の者を襲った。かれらは翌朝その家の中で俯していた。
- そこはまるで、誰一人住んでいなかったかのようであった。サムードの人びとは、主を信じなかった。サムードよ(アッラーの慈悲から)追放されよ。
- わが使徒たちが、イブラーヒームの許に来て、吉報を齎した。かれらは、「平安あれ。」と言い、かれも、「平安あれ。」と答え、時を移さず、焼いた仔牛で持て成した。
- だがかれらの手がそれに伸びないのを見て、かれは不安に感じ、かれらに恐れを抱いた。かれらは言った。「恐れてはならない、実はわたしたちは、ルートの民に遣わされた者である。」
- その時、かれ(イブラーヒーム)の妻が立っていて、笑ったので、われはかの女にイスハークのこと、イスハークの後、ヤアコーブの(産れる)吉報を伝えた。
- かの女は言った。「ああ、情ない、わたしは老婦人であり、この夫も老人なのに(子が)産めましょうか。本当にこれは不思議なことです。」
- かれらは言った。「おお、この家の人びとよ、あなたがたは、アッラーの命令に驚くのか。アッラーの慈悲と祝福があなたがたの上にあるように。本当にかれは讃美すべき方、栄光に満ちた方であられる。」
- それでイブラーヒームの恐れが消え、吉報がかれに伝えられた時、かれはルートの民のためにわれに歎願し始めた。
- 本当にイブラーヒームは、辛抱強く、心の優しい、悔悟して(主に)返った者である。
- (主は仰せられた。)イブラーヒームよ、このことを断念しなさい。既に主の御命令は下っている。避けられない懲罰が、かれらに下るのである。
- われの使徒たちがルートの許に来た時、かれは(ルー卜の客人としての)使徒のためにとても心を悩まし、かれ自身(人びとの男色の風習から)かれらを守れないことを悲しんで、「これは苦難の日である。」と言った。
- 人びと(ルートの民)は急いでかれの許に来た。これまでかれらは、汚らわしい行い(男色行為)をしていたので、かれは言った。「わたしの人びとよ、ここにわたしの娘たちがいる。あなたがたにとっては(娘たちと結婚することが)最も清浄である。アッラーを畏れなさい。わたしの賓客に関して、わたしに恥をかかせないでくれ。あなたがたの中に、正しい心の者が一人もいないのか。」
- かれらは言った。「わたしたちがあなたの娘たちに、求める気のないことを、あなたはよく知っているはずである。またわたしたちが望むものもあなたに分っている。」
- かれは(祈って)言った。「わたしに、あなたがたを押える力がありますよう。もしくは力強い支持にあずかることが出来ますように。」
- かれら(使徒たち)は言った。「ルートよ本当にわたしたちは、あなたの主の使徒である。かれらは決してあなたに手を触れることは出来ない。それで夜の間にあなたの家族を連れて出て行きなさい。そしてあなたがたの中、一人でも後ろを振り向いてはならない。あなたの妻は別である。かの女は、かれら(ソドムの住民)の遭遇したことに遭遇するであろう。かれらに定められた時は、早朝である。朝は近いではないか。」
- それでわが命令が下った時、われはそれ(町)を転覆し、その上にわれは幾重にも焼いた泥の石を雨と降らせた。
- (その石には)アッラーの御許で、(懲罰の)記号が付けられていた。それらは、不義を行う者の上にも降りかかるのである。
- (われは)またマドヤンの民にその同胞のシュアイブを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ、アッラーに仕えなさい。あなたがたには、かれの外に神はないのである。また寸法や量目を少なくしてはならない。見たところあなたがたは繁栄しているが、わたしはあなたがたに、(一切を)取り巻く日の懲罰が下るのを恐れる。」
- 「人びとよ、寸法や量目を正確に計れ、人の物を欺き取ってはならない。また地上で悪事を行って退廃を齎してはならない。
- もしあなたがたが信者ならば、アッラーの(賜物で手もとに)残されたものこそ、あなたがたのために最も善いものである。わたしはあなたがたの見張り人ではない。」
- かれらは言った。「シュアイブよ、あなたの祈るところのものは、わたしたちの祖先が崇拝したものを捨てるようにあなたに命じたのか。また自分の財産に関し、望み通りに処理してはならないのか。本当にあなたは、親切に正しい道に導く者なのか。」
- かれは(答えて)言った。「人びとよ、考えてみなさい。わたしが主からの証の上にたち、またかれから良い御恵みを与えられている(のに、主の啓示を伝えることをわたしが怠ろうか)。またあなたがたに禁じたことを、陰で行うことを望まない。わたしの請い願うところは、只力を尽くして(世の中を)矯正することであり、アッラーによる以外にはわたしの成功〔タウフィーク〕はないのである。わたしはかれに信頼し、かれに悔悟して返る。
- 人びとよ、わたしに異議を唱えて罪を犯しヌーフの民やフードの民、またサーリフの民が陥ったのと同じ(運命)に陥ってはならない。ルートの民にいたっては、あなたがたと余り縁遠くはない。
- それであなたがたの主の御赦しを請い、悔悟してかれに返れ。本当にわたしの主は慈悲深く温情にあつい御方である。」
- かれらは言った。「シュアイブよ、あなたの言うことをまるで理解出来ない。またわたしたちは、本当にあなたは頼りにならないと思う。あなたの同族(のこと)を考えなかったならば、わたしたちはきっとあなたを石撃ちにしたであろう。あなたはわたしたちの間では無力なのである。」
- かれ(シュアイブ)は言った。「人びとよ、あなたがたはアッラーよりも、わたしの同族の方を重視するのか。かれを無視して、あなたがたの背後に捨てるのか。本当にわたしの主は、あなたがたの行うことを取り囲まれる。
- 人びとよ、あなたがたは自分のやり方で行うがよい。わたしもまた(わたしの務めを)行うであろう。やがてあなたがたは知ろう。誰に恥ずべき懲罰が下るのか、また誰が偽ったのかを。あなたがたは待て、わたしもまたあなたがたと共に待つものである。」
- わが命令が下った時、われの慈悲によってシュアイブとかれと共に信仰した者たちは救われた。だが不義を行った者たちには一声(懲罰)が襲い、翌朝かれらはその家の中に、俯していた、
- かれらは、まるでそこに住んでいなかったかのようであった。丁度サムードが滅びたようにマドヤンは滅びた。
- またわれは、印と明瞭な権威とを授けて、ムーサーを遣わした。
- フィルアウンとその首長たちに。だが、かれらはフィルアウンの命令に従った。しかしフィルアウンの命令は、正しい道に導くものではなかった。
- 復活の日にかれ(フィルアウン)は、人びとを率いて火獄に導き下るであろう。何と恐しい水場であることよ。
- かれらは現世においても復活の日にも呪いに付き纏われた。何と恐しい賜物であることよ。
- これらはわれがあなた(ムハンマド)に語る、昔の村々の消息の一部である。そのあるものはなお存在するが、あるものは消滅した。
- われがかれらを損ったのではない。かれらが自分自身を損ったのである。アッラー以外にかれらが祈っていた神々は、あなたの主の命令が下った時、かれらに何も役立つことはなかった。只破滅を助長するだけであった。
- このようにかれらが悪を行っている時、村々を不意に襲うことが、あなたの主の捕え方である。かれの捕え方は、本当に痛烈であり苛酷である。
- 本当にこの中には来世の懲罰を恐れる者への印がある。それは人間が一斉に召集される日であり、立証されるべき日である。
- それは定められた一期のために過ぎず、われはそれを遅延させない。
- その日が来れば、誰もかれの許しがなければ発言することは出来ない。かれらの中の(ある者は)惨であり、また(ある者は)幸福である。
- その時惨な者たちは、火獄の中にいよう。その中でかれらは、ため息とすすり泣き(に喘ぐだけである)。
- あなたの主の御好みにならない以上、天と地の続くかぎり、その中に永遠に住むであろう。本当にあなたの主は、御望みのことを(必ず)成し遂げられる。
- (その日)幸福な者たちは楽園に入り、あなたの主の御好みによる以外、天と地の続く限り、その中に永遠に住むであろう。限りない賜物である。
- だからこれらの人びとが崇拝するものに就いて、あなたは思い煩うことはない。かれらは祖先が以前に仕えたものに仕えるに過ぎない。本当にわれは、かれらの得分を(少しも)減らすことなく支給する。
- われはムーサーに啓典を授けたが、それに就いて(ユダヤ人の間に)異論があった。あなたの主から前もって、御言葉が下されていなかったならば、その事はかれらの間できっと解決されたであろう。だが未にかれらはそれに就いて不安な疑いを抱いている。
- あなたの主はかれらの凡ての言動に対して、十分に報われる。本当にかれは、かれらの行いを熟知なされる。
- それであなたと、またあなたと共に悔悟した者が命じられたように、(正しい道を)堅く守れ。法を越えてはならない。かれはあなたがたの行いを御存知であられる。
- あなたがたは悪を行う者を頼りにしてはならない。さもないと業火があなたを捕えるであろう。あなたがたには、アッラーの外に守護者はなく、助けられることもない。
- 礼拝は昼間の両端において、また夜の初めの時に、務めを守れ。本当に善行は、悪行を消滅させる。これは(主を)念じる者に対する訓戒である。
- 耐え忍べ。本当にアッラーは、善行者への報奨を虚しくされない。
- あなたがたより以前の世代の者の間には、何故かれらの中われが救った少数の者を除いては、地上の退廃を押える有徳な者たちがいなかったのであろうか。不義を行う者たちは、享楽を貪り罪を犯していた。
- あなたがたの主は、そこの居住民が矯正(に留意)する間は、(単なる)悪行のために都市を滅ぼされない。
- またあなたの主の御心ならば、かれは人びとを一つのウンマになされたであろう。だがかれらは反目しあっている。
- あなたの主が慈悲を垂れられる者は別である。かれはそうなるように、かれらを創られた。そして、「われは必ずジンと人間を一緒にして、地獄を満たす。」との主の御言葉は全うされた。
- 凡そわれが、使徒たちの消息に就いてあなたに語ったことは凡て、あなたの心をそれで堅固にするためのものである。その中には真理と勧告、と信仰する者への訓戒がある。
- それで不信仰者に言ってやるがいい。「あなたがたは自分のやり方で行うがいい。わたしたちも(自分の務めを)行う。
- あなたがたは待ちなさい。わたしたちも待っている。」
- 天と地の幽玄界は、アッラーの有であり、また凡ての事(物の決定)はかれに帰属する。だからかれに仕え、かれを信頼しなさい。主はあなたがたの行うことを、疎かになされない。