21.預言者章(アル・アンビヤーゥ)
マッカ啓示112節
- 清算(の日)は人間に近付いているが、かれら(不信者)は無関心に背き去る。
- かれらの主から新しい訓戒が来る度に、かれらはそれを笑い草として聞くに過ぎない。
- かれらは心の中でふざけている。そして悪事を行う者たちは、密談して(言う)。「これは、あなたがたと同様只の人間ではないですか。あなたがたは目で見ていながら、魔術にでもかかったのですか。」
- 言ってやるがいい。「わたしの主は、天と地の間で(語られる)言葉(の凡て)を知っておられる。かれは全聴にして全知であられる。」
- かれらは、「いや、(それは)夢の寄せ集め。いや、かれの偽作です。いや、かれは詩人です。昔(の使徒に)下されたような印を、わたしたちに齎して下さい。」と言った。
- かれら以前にわれが滅ぼした都市でも、信仰する者は1人もいなかった。それでもかれらは信仰しないつもりなのか。
- あなた以前に、われが啓示を授けて遣わした使徒たちも、人間に過ぎなかった。もしあなたがた、これが分らないなら訓戒を受けた民に聞け。
- われはかれら(使徒たち)に、食物をとらないような体は授けなかった。またかれらは永久に生きる訳でもなかった。
- 結局、わが約束をかれらに果し、かれらとわれの欲するものを救い、違犯した法外の者たちを滅ぼした。
- われは、あなたがたへの訓戒として啓典を啓示したのである。それでもあなたがたは悟らないのか。
- 如何にわれは、多くの悪を行っていた都市を滅ぼして、その後に別の民を立てたか。
- それでわれの懲罰(が下るの)を感じると、見なさい。かれらはそこから逃げ(ようとす)る。
- 逃げてはならない。楽しんだ所、あなたがたの住まいに返れ。あなたがたは尋問されるであろう。
- かれらは言った。「ああ、情けない、わたしたちは本当に不義の徒でした。」
- そしてかれらのこの叫び声は、われがかれらを根こそぎ滅ぼし火の消えたように沈黙させるまで止まなかった。
- われは天と地、またその間にあるものを、戯れに創ったのではない。
- もしわれが戯れを望み、仮りにそうするならば、わが手近なもの(非物質的な霊的なもの)から選んだであろう。
- いや、われは真理を虚偽に投げつけると、その頭を砕く。見なさい。虚偽は消滅する。あなたがたが(われに就いて)言うことこそ、あなたがたにとり災いである。
- 天と地の凡てのものは、かれの有である。またその側近にいる者(天使)は、かれに仕えて高慢でもなく、疲れも知らない。
- かれらは毎日毎晩にかれを讃え、休むことを知らない。
- それともかれらは、(死者を)甦らすことの出来る神々を地上からえたのか。
- もし、その(天地の)間にアッラー以外の神々があったならば、それらはきっと混乱したであろう。それで玉座の主、かれらが唱えるものの上に(高くいます)アッラーを讃えなさい。
- かれは、その行われたことに就いて、尋問を受けることはない。だがかれらこそ尋問されるのである。
- それともかれらは、かれを差し置いて外の神々を崇めたのか。言ってやるがいい。「あなたがたの証拠を出してみなさい。これはわたしと共にいる者への訓戒であり、また以前の世代の者への訓戒である。」だがかれらの多くはこの真理を理解出来ずに背き去る。
- あなた以前にも、われが遣わした使徒には、等しく、「われの外に神はない、だからわれに仕えよ。」と啓示した。
- かれらは、「慈悲深き御方は子をもうけられます。」と言った。ああもったいない。いや、(かれら天使は)栄誉あるしもべである。
- かれら(天使たち)は、かれより先に告げることもなく、またかれの命令に基いて行動するだけである。
- かれは、かれら(天使)以前にあるものも、以後にあるものをも知っておられ、かれが受け入れる者の外は、執り成しをしない。かれら(天使)はかれに畏れ仕える。
- もしかれらの中に、「本当にわたしは、かれとは別の神である。」と言う者があれば、われはこのような者を、地獄で報いる。不義を行う者にこのように報いる。
- 信仰しない者たちは分らないのか。天と地は、一緒に合わさっていたが、われはそれを分けた。そして水から一切の生きものを創ったのである。かれらはそれでも信仰しないのか。
- われはまた、大地に山々を据えてかれら不信心者にとっても大地を揺るぎないものとした。またそこに、往来のための広い道を創った。それでかれらは必ず利するところがあろう。
- 更にわれは、天を屋根とし守護した。それでもかれらは、これらの印から背き去る。
- かれこそは昼と夜、また太陽と月を創造された方である。それらは、軌道に浮んでいる。
- われはあなた以前の誰に対しても、永久に生きる者としたことはない。あなたは死ぬのに、かれらは永久に生きるというのか。
- 人はすべて死を味わう。われは試練のために、凶事と吉事であなたがたを試みる。そして(最後は)われに帰されるのである。
- 信仰しない者はあなたを見る時、只嘲笑の的にする。(かれらは言う。)「この者ですか、あなたがたの神々を批判する者は。」かれらは慈悲深き御方の訓戒を、冒涜する者である。
- 人間は気短かに創られている。われは直ぐに印を示すであろう。だから急いでわれに催促してはならない。
- またかれらは、「あなたがたの言葉が真実なら、その約束は何時(来るの)か。」と言う。
- もし不信者が(その日)その時、顔からも、また背からも業火を防ぐことが出来ず、また助ける者もない日のことを知っていたならば。
- いや、それは突然かれらを襲って、驚き慌てさせよう。かれらはそれを避ける力もなく、猶予されないであろう。
- あなた以前の使徒たちも、確かに嘲笑された。だが嘲笑した者は、嘲笑していたことに取り囲まれるのである。
- 言ってやるがいい。「慈悲深き御方(の怒り)から、昼夜誰が、あなたがたを守れようか。」それでもかれらは、主を念じることから背き去る。
- それともかれらには、われ以外にかれらを守護出来る神々があるのか。かれら(神々)は、自分自身も助けられず、またわれから防ぎおおせない。
- それなのに、われはこれらの者やその祖先たちを享楽させ、その期限まで永らえさせた。われがこの(不信心者の)地に来て、その隅々から征服しているのを見ないのか。それでもかれらは勝利者なのか。
- 言ってやるがいい。「わたしは只啓示によって、あなたがたに警告するだけである。」だが聞かない者は、警告されてもその呼びかけが聞こえない。
- そしてあなたの主の懲罰の息吹が、もしかれらに(少しでも)触れれば、「ああ、情けない。わたしたちは本当に不義を行いました。」と言う。
- われは審判の日のために、公正な秤を設ける。1人として仮令芥子一粒の重さであっても不当に扱われることはない。われはそれを(計算に)持ち出す。われは清算者として万全である。
- 且つてわれは、ムーサーとハールーンに、識別と光明と、畏れる者への訓戒を授けた。
- 目に見えなくても主を畏れる者と、審判の時を畏れる者への訓戒を授けた。
- この(クルアーン)こそは、われが下した祝福豊かな訓戒である。あなたがたは、それでもなお拒否するのか。
- われは以前イブラーヒームに、方正な行いを授けた。われはかれをよく知っている。
- かれが父とかれの人びとに、こう言った時を思いなさい。「あなたがたが崇拝するこれらの偶像は、何ものであるのか。」
- かれらは言った。「わたしたちは、祖先がそれらを崇拝するのを見ました。」
- かれは言った。「あなたがたとあなたがたの祖先は、明らかに誤っていたのである。」
- かれらは言った。「あなたは真理を齎したのですか。それとも戯れる者なのですか。」
- かれは言った。「そうではない。あなたがたの主は、天と地の主。(無から)それら(天地)を創造された方である。そしてわたしはそれに対する証人の一人である。
- アッラーに誓って、わたしはあなたがたが背を向けて去った後に、あなたがたの偶像に一つの策をめぐらそう。」
- こうしてかれは、必ずかれらがそこに返って来るであろうと(思って)、唯一体の巨像を除きそれらを叩き壊した。
- かれらは言った。「誰がわたしたちの神々をこうしたのでしょうか。本当にかれは不義な者です。」
- (或る者が)言った。「わたしたちは、イブラーヒームという若者が、その方々を批判するのを聞いた。」
- かれらは言った。「それなら、その者を人びとの目の前に引き出せ。必ず皆が証言するでしょう。」
- 「イブラーヒームよ、あなたなのですか。わたしたちの神々に対しこのようなことをしたのは。」と一同は言った。
- かれは(答えて)、「いや、いや、それらの中のこの大きい(偶像)がそれをしたのです。かれらが口が利けるものなら聞いてみなさい。」と言った。
- そこでかれらは、自ら(良心に)顧みて(心に)言った。「確かにあなたがた(自身)が悪いのです。」
- 間をおいて、かれらはまた翻意し(て言っ)た。「あなたはこれら(神々)の、口が利けないのをよく知っていました。」
- イブラーヒームは言った。「それならあなたがたは、アッラー以外のものを崇拝するのですか。あなたがたを、少しも益せずまた損わないものを。
- ああ、情けないことです。あなたがたも、あなたがたがアッラーを差し置いて崇拝するものたちも。あなたがたは、なお悟らないのですか。」
- かれらは言った。「どうせやるなら、かれを焼きなさい。そしてあなたがたの神々を救いなさい。」
- (その時)われは命令した。「火よ、冷たくなれ。イブラーヒームの上に平安あれ。」
- かれらはかれに対し策動しようとしたが、われはかれらを酷い失敗者にした。
- われはかれと(その甥の)ルートを、万有のためにわれが祝福した地に救い出した。
- そしてかれに(子の)イスハークを授け、またその上の賜物として(孫の)ヤアコーブを授けた。われはそれぞれを、正しい者にした。
- われはかれらを、わが命令を奉じて(人びとを)導く導師とし、かれらに善行に励み、礼拝の務めを守り、定めの喜捨をするよう啓示した。そしてかれらは一生懸命にわれに仕えた。
- またわれはルートに判断力と英知とを授け、且つ破廉恥な行いに耽る町から、かれを救い出した。かれらは、主の掟に背く邪悪な民であった。
- かれ(ルート)をわれの慈悲に浸らせた。本当にかれは正しい者であった。
- またヌーフだが、以前かれが祈った時を思いなさい。われはそれに答えて、かれとかれの家族を、大きい災難から救った。
- われは、わが印を拒否する民に対し、かれを助けた。本当にかれらは邪悪な民であった。それでわれは、凡てかれらを溺れさせた。
- またダーウードとスライマーンだが、ある者の羊が夜間耕地に迷い込み、作物を荒したが、それに就いて裁判した時のことを思いなさい。われはかれらの裁判の立証者であった。
- われはそれをスライマーンに理解させた。そしてそれぞれに判断力と英知を授け、またわれはダーウードに山々や鳥たちを従わせて(主を)共に讃えさせた。それは(皆)われの仕業であった。
- またわれは、かれに(鎖)帷子を作る術を教え、暴力からあなたがたの身を守らせた。それでもあなたがたは感謝しないのか。
- またわれは、猛威を奮う風(を起す術)をスライマーンに(授け)、かれ(スライマーン)の命令の下に、われが祝福する地に吹かせた。われは凡てのことを知るものである。
- また悪魔たちの中にも、かれのために潜水する者あり、またその外の仕事をしている者もあった。われはいつもかれらを見張っていた。
- またアイユーブ(に英知と判断力を授けた)。かれは主に呼びかけた。「本当に災厄がわたしに降りかかりました。だがあなたは、慈悲深いうえにも慈悲深い方であられます。」
- それでわれはこれに応えて、かれに取り付いた災厄を除き、かれに家族を授け、その人々を倍加した。(これは)われからの慈悲であり、またわれに仕える者に対する訓戒である。
- またイスマーイール、イドリースとズ・ル・キフルである。全員がよく耐え忍ぶ者であった。
- われはかれらをわが慈悲に浴させた。本当にかれらは、正しい者であった。
- またズン・ヌーンである。かれが激怒して出かけた時を思いなさい。かれは、われが自分を難儀させるようなことはないと思いながらも、暗闇の中で、「あなたの外に神はありません。あなたの栄光を讃えます。本当にわたしは不義な者でした。」と叫んだ。
- それでわれはかれに応え、かれをその苦難から救った。われはこのように、信仰する者を救助するのである。
- またザカリーヤーである。かれが主に(祈って)、「主よ、最も優れた相続者であられる御方よ。わたしを孤独のまま放って置かないで下さい。」と叫んだ時のことを思いなさい。
- それでわれはこれに応え、かれにヤヒヤーを授け、また妻をかれに相応しくした。かれらは互いに競って善行に勤しみ、また希望と畏れをもって、われに祈っていた。われに対し(常に)謙虚であった。
- また自分の貞節を守った女(マルヤム)である。われはかの女にわが霊を吹き込み、かの女とその子を万有のための印とした。
- 本当に、あなたがたのこのウンマこそは、唯一の共同体である。そしてわれはあなたがたの主である。だからわれに仕えなさい。
- それなのにかれらは、その(宗教上の)事柄を、かれらの間で切り放し(宗派を作っ)た。(間もなく)かれらは皆われに帰るのである。
- 誰でも善行に励み、信仰している者は、決してその努力を虚しくされることはない。われはかれらのために、必ず(それを)記録している。
- われが滅ぼした都市には禁令が(強制的に)あって、かれらは帰って来られないであろう。
- ヤァジュージュとマァジュージュが解放されて、どの丘からも勢いよく下って来る時までは。
- 真実の約束は近付いているのである。見なさい。信仰しない者の目は坐ってきて(言うであろう)。「ああ、情けない。わたしたちはこのことを疎かにしていました。いや、わたしたちは不義な者でした。」
- 本当にあなたがた(不信者)も、アッラーの外にあなたがたの崇拝するものも、地獄の燃料である。あなたがたはそこに(必ず)落ちて行くのである。
- これらがもし神であったならば、そこに落ちるようなことはなかったであろう。だが(かれらは)それぞれ、その中に永遠に住むのである。
- かれらはその中で呻く、そこでは(外に何も)聞こえないであろう。
- われから善行(の記録)を以前に与えられている者は、地獄から遠く離され、
- そこの微な音も聞こえないであろう。そしてかれらの魂が念願していた所に永遠に住む。
- 大きな恐れがかれらを悩ますことはなく、天使たちは出迎えて(言うであろう)。「これが約束された、あなたがたの日です。」
- その日われは、書き物を巻くように諸天を巻き上げる。われが最初創造したように、再び繰り返す。これはわれの定めた約束である。われは必ずそれを完遂する。
- われは(ムーサー)に訓戒を授けた後、詩篇の中に、「本当にこの大地は、われの正しいしもベがこれを継ぐ。」と記した。
- 本当にこの(クルアーン)の中には、(アッラーを)崇拝する者への消息がある。
- われは只万有への慈悲として、あなたを遣わしただけである。
- 言ってやるがいい。「わたしに啓示されたのは、あなたがたの神は唯一の神であると言うことである。ところであなたがたは、帰依しているのか。」
- もしかれらが、背き去れば言ってやるがいい。「わたしは(あなたがたに)同じように宣教した。だがあなたがたに約束されたことが、近いか遠いかわたしは知らない。
- 本当にかれは、露な言葉を聞き知っておられる。またあなたがたの(心に)隠すことも知っておられる。
- だがわたしは、その(猶予)があなたがたへの試みであるのか、または一時期のための享楽であるのかを知らない。」
- かれは言った。「主よ、真理によって御裁き下さい。わたしたちの主は、あなたがたが口に出す(冒涜)に対する御助けを御願い出来る慈悲深い方であられる。」